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"DIRTY FINGERS"(T-TOP) / GIBSON製
JOHN自身もかつて('84年当時)「低音域だけではなく高音域も良く出るんだ」と言っていました。
確かに、GIBSON 490/498T、'57 Classicに比べると基本的な音色は似ているものの”高音域”に「存在感」
を感じます。と言っても"トレブリー"ではないです。
私が所有している"'74年製のカスタム"にマウントしているT-TOPの「DIRTY FINGERS」は、パワーは経年
劣化により低下し枯れた音であることも要因の一つであると感じていますが、高音域に”存在感”はある
ものの耳障りではなく、またパワーで押し切るものでもなく、倍音の出力の程よさが抜けのよい
ディストーション成分を生み出しているところが、このピックアップの魅力ではないかと感じています。
(倍音の多いDUNCAN SH-4(JB)と比較すると控えめなほうです)
低音域については適度なパワー感は、あるもののタイトな音色でブーミーな感じはありませんね。
GIBSONの「PAF」を例に挙げれることが多いですが、P.Uは経年劣化により、磁力が弱くなったことで
「枯れた音」になると言われています。いわゆるビンテージサウンドですね。この「枯れた音の成分
(おそらく、適度な倍音を引き出す)」が聴感上、より多く歪んでいるように聞こえさせるとも言われてい
ますね。
このT-TOPの「DIRTY FINGERS」もパワーによって稼いだ"ディストーション"ではないことで、トレブリー
さがなく、抜けの良い「ディストーションサウンド」を弾き出していると感じています。
再発版(2000年頃)「DIRTY FINGERS」とT-TOPの「DIRTY FINGERS」を比較すると良く分かります。
再発版の「DIRTY FINGERS」には倍音の成分が少なく中音域にピークがあり、T-TOPの「DIRTY FINGERS」は
音の立ち上がり/ハイエンドまで抜けがよく、ピッキングハーモニクスもT-TOPの方が良くでます。
(ちなみのJOHN SYKESが「DIRTY FINGERS」を使用していたのは、「OUT OF MY TREE」のレコーディング
(バッキング)までです。レコーディング中に「DIRTY FINGERS」は壊れてしまい、それ以降、カスタムには
GIBSON '57 Classicがマウントされています)
やはり、より”JOHN SYKES”の音に近づくには、同じ「DIRTY FINGERS」でもJOHNがかつて使用していた
同じ年代のT-TOPの「DIRTY FINGERS」が良いことが分かりました。
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